解放
子どもが生まれて5年、初めて別々の場所で夜を過ごしている。
そして私は5年以上ぶりに、1人の夜を過ごしている。
今日の日が来るまではとても不安だった。
さみしさに心が潰れてしまうんじゃないかと。
けれど、いざ1人になってみたら、身軽でスッキリした気持ちに。
交通アクセスが良くなくてあまり子どもとは行けないエリアで、
クリスマスと年末の雰囲気を楽しみながら、
買い出しを兼ねたお散歩をして、
友人と居酒屋で他愛もない世間話を楽しんだ。
通勤や子どもとのお出かけ以外で外出することがほとんどないから、
こんなにも精神的、身体的に疲れを感じない帰り道にびっくり。
いつもの帰り道は、仕事や子連れ外出の疲れでへとへとなことが多くて。
帰宅後は湯船にたっぷりの温かいお湯を張り、
読書しながらゆっくり体を温め、
夜のスキンケアもドライヤーも自分のペースで時間を使えた。
そして今、1人で悠々と広いダブルベッドを占領して、
毛布にくるまりながら、こうして日記を書いている。
明日の朝、子どもが起きてくることを想定しなくていいから、
いくらでも夜ふかしができる。
ああ、なんて贅沢な休日なのだろう。
自分のためだけに時間を過ごすことは、心が解放された気持ちになる。
母親・妻という役割からの解放、なんて気持ちがいいのだろう。
そういえば今日の帰り道に空を見上げると、澄んだ夜空に星がいくつか輝いていた。
湿気の多いこのアジアの都市ではなかなかくっきりと星を目にすることはない。
東京にいた頃、忘年会や仕事で忙しくも充実感で満たされるこの時期、
夜遅く自宅に向かう途中に見えた夜空を思い出した。
アルコールと楽しい時間の余韻で温かい体と、
ぴりっとした冬の夜の空気に、いくつか輝く星。
幸せな冬の思い出と重ね合わせる。