年末の空気に思うこと
年末の空気が好き。
でも自分の年齢によって年末に思うことが変わってきた。
パワーにあふれていた20代の頃は、今年達成したことを箇条書きにして、満足感に浸っていた。
30代になってからは、年の瀬という「終わりが見える」ことに、安堵するようになった。
人生を勝ち抜けできそうな自分の両親を見て、羨ましく思うようになったのはいつからだろう。
私は小さな子どもを抱えて、まだまだ生きていかなくちゃいけない。
コロナもなく気軽に国境を跨いだ移動ができて、
景気もそんなに悪くなく、
2019年のラグビーワールドカップの成功、
そして2020年の東京オリンピックへの期待で溢れていたあの頃。
20代だったということもあり、周りでも結婚や出産というおめでたいイベントが続いていた。
世の中がコロナ禍となり、世界は分断され、人々の交流が減った。
30代を迎えると、周りでも夫婦の不仲や離婚等、現実が襲いかかってくる。
いつからだろうか、絶望が希望を上回ったのは。
いつからだろうか、辛いことが楽しいことを上回ったのは。
環境や年齢のせいにしてはいけない、と思いつつ、
しばらくはこの谷でじっとしているしかない。
そんなじっとしている中でも、一旦区切りの見える年末は、少し気持ちが楽になる。
「来年になれば…」という希望は、
コロナが収束しなかった2021年に打ち砕かれたから、
決して安易な希望はもたないように。
でも、心の持ちようということもあるから、区切りがついた後の来年は、
少しでも上向きになるといいな。
谷から抜け出せなくても、谷の中で少しでも楽しみを見いだせるように。