外国生活における情報と感情
外国人として外国に暮らしていると、触れる情報の量も質も必然的に落ちてしまう。
どんなに現地語が堪能でも、やはり母国語には遥かに及ばないから、頭の中まで届く情報量が少なくなるし、更にその少ない情報の解像度も低くなってしまう。
もちろん、外国人として現地の人とは別の視点で物事を見ることによって、情報を自分なりに面白く解釈することはできるかもしれないけれど、長く住んでいるとなかなかそういった新鮮な視点も失われつつある。
そうして量も解像度も低くなった情報しか頭の中に届かなくなると、どうしても感情が揺り動かされたり、強い興味をもったり、という心の動きが鈍くなる。
楽しい、面白い、と思うようなポジティブな感情が少なくなるというのは、それだけで心の健康に影響する。
そして悲しい、辛いというようなネガティブな感情も、ありのままに受け入れることで、前を向く動力になったりする。
心の動きが鈍くなると、どうしてもぼんやりとマイナスの方向に行きがちになるという傾向もあると思う。
だから、情報量も質もたくさん浴びれて、自分が心地良いと思える、生まれ育った自分の国に帰りたいと思うのは自然なことなんだろうな。
外国に住み続けるなら、インターネットやテレビ、書籍など、いろんな手段を使って、情報の量と質を補っていくのが、心の健康のためにはかなり重要なのかもしれない。